BUのSchool of Management(要は「経営学部」)は通称SMGと呼ばれています。
私はSMGじゃないけれど、仲良い3,4年生の友達はSMGの子が多いです。
そんなSMGですが、友達が
「Sex•Money•Greedの頭文字なんだぜ」
とジョークを言っていました。
個人的に、このジョーク、すごいお気に入り。
で、SMGのおぼっちゃん達に、「将来何になりたいの?」って聞くと、十中八九こう答える。
"Investment Banker."
Investment Bankとは、つまり、投資銀行。
日本で俗にいう、「外銀」。
現在、私の家族にも1人、Investment Bankerがいます。
そして、SMGの子とInvestment Bankの話になる度に、今年の夏にたまたま出会った女性起業家の方の話を思い出します。
たしか彼女は、最近、日本の優秀な学生のほとんどが外銀志望であることを嘆いていました。
「最近の日本への不信感は否めないけれど、将来この国を背負って立つ若者自らが外資へ逃げて、不信感を強めてしまってはどうしようもない。」
って。
所変われど、人は一緒だね。
結局、アメリカの学生もみんな投資銀行に目がないんです。
仕方ないよね、給料いいんだから。
(アメリカの子にしてみたら国内の銀行だから、外銀っていう表記はいささかおかしいか。)
ご存知の通り、"Occupy Wall Street"の矛先はこれら投資銀行です。
ちょっと前にoccupyが目下進行中だった頃にこれについてプレゼンをしたので、その準備の過程で少し投資銀行に詳しくなりました。
あのデモはなんで起こったかというと、簡単に言えば、アメリカの格差が原因です。
近年、高所得者と低所得者のギャップはどんどん広まり、中間層は縮小しています。
「好況のときはただただ私腹を肥やしてるくせに、不況になると政府に泣きついて僕たちの税金で解決してもらって、ふざけんじゃねぇ!」
というのがProtestersの言い分です。
確かに、投資銀行はリーマンのときにめっさ追い込まれて、あれ以降どこも銀行登録をしました。
でもでも、彼らの要求ははっきりとしてない。主張があいまいすぎる。
多くは格差是正を叫びたいんだろうけど、 チュニジアやエジプトの革命、ロンドンの暴動のような明確な目標もなければ、緊張感もない。
しかも、投資銀行を糾弾するのはちょっとお門違い。
金融機関の救済に使われた公的資金は、結局、全額返済されて、しかも金利が高かったから、アメリカ政府としては結果的に黒字になったんだから。
それに、投資銀行だってかつてない苦渋のときを迎えてるし。
どこも減収が予想されてて、信じられない数の人を解雇してるし。
そもそも、QOLそっちのけで死ぬほど働いて、それで得た給料で国の税収を支えてるのも彼らなんだから、結局おあいこなんだよね。
むしろ、彼らは社会貢献してる方だ、とも言えるかもしれない。
あたしが思うにアメリカという国はものすごい矛盾を抱えている。
この国は成立以来、self-reliance、competition、hard workを掲げて、
「格差は仕方ない。裕福になりたいなら自分で頑張れ。」
というモットーの下に集まった多くの移民を受け入れ、「自由の国アメリカ」を築き上げてきた。
それなのに、なにを今さら「格差是正!」なんて叫んでるんだろう?
ここは「自由の国アメリカ」じゃなかったっけ?
自力本願、完全競争、精勤を謳うアメリカで、未来ある若者が、今からhard workすればいくらでもてっぺん目指せる若者が、デモに参加する意味があたしにはよくわかりません。
そして、この不思議な現象の中に、この国のアイデンティティが欠落し始めていることを垣間見てしまいます。
クラブで周りをちっとも気にせず盛ってる男女を見る度に、「下心って素晴らしい」って思います。
お金を持ってれば何でも叶ってしまう世の中です。
アメリカのおぼっちゃん大学生はみんなInvestment Bankに目がありません。
Sex, Money, Greed.
大きな矛盾を抱えながらも、この国が1番であり続けるのは、きっとこの3つのおかげではないでしょうか?
世界を救うのは、きっと、いや間違いなく、「下心」と「金」と「貪欲さ」です。
そんなことを考えていたら、今夜は恒例のThursday Nightでした。
お酒を買いに行ってきます。
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